#2_素の間々の家のはじまり

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#2 素の間々の家のはじまり

あんcafeの物語
山口県光市三井
せせらぎの音が耳に心地いい、川沿いの小さなカフェ。鈴木明美さんが2020年に開店した「あんcafe」は、あんこのおやつとランチの店です。明美さんの故郷の北海道から取り寄せた、宝石のような小豆でつくるおはぎ。北海道名物の甘納豆のお赤飯は、甘さを抑えたここだけの味です。そして、第二の故郷となった山口産の有機野菜など、旬の素材を生かしたランチは、ドレッシングまですべて手づくり。予約を受けた分だけ丁寧につくられた料理を、ほっとする空間でいただくひとときに癒されて、何度も訪れたくなるカフェです。
 
転勤で山口県光市に移り住んだ明美さんは、長年勤めた会社を退職後に、念願のカフェを開くことにしました。メニューの主役は、あんこ。もともと豆を煮るのが好きで、忙しい日々の中でも無心になれる時間が好きだったからです。まずは半年間、賃貸の店舗で営業してみて、やはり自分の店を持ちたいと思ったとき、ある出会いがありました。パスゲイトジャパンのモデルハウス「素の間々の家(そのままのいえ)」を、店舗併用住宅にしてはどうかという提案を受けたのです。
三角屋の家
そこでは、折にふれてカルチャー教室やコンサートなどが催され、明美さんも何度か訪れたことがある場所でした。仕切りのない広々とした空間にあるのは、対面型のキッチン。ここをカフェと家族の住まいにするとしたら・・・
 
そのとき思い描いたカフェのキッチンに立って、明美さんは今、大好きな豆をことこと煮ています。ふと目をあげると、小川の向こうに小学校の校庭が見えて、子どもたちの声が聞こえてくる。ここで店をはじめてよかったと、しみじみ思う瞬間です。
 
「あんcafe」として新しい扉を開いた「素の間々の家」は、光市三井にパスゲイトが最初に建てたモデルハウスです。
 
ひと昔前まで、このあたりには、漆喰の壁に焼杉の腰板を施した家が、そこかしこにありました。この土地の歴史と風景に溶け込むような家をつくろう。パスゲイトによって産声をあげた「素の間々の家」第一号は、三角屋根に白い壁と黒い焼杉のコントラストが懐かしいけど新しい、そんな佇まいを宿しています。
雰囲気のいいカフェ
室内は、住む人の暮らしの変化に合わせて、どのようにでも使いこなせる空間にしました。パスゲイトがフランスから直輸入している床材は、時を経るほどに味わいが出る無垢のボルドーパイン。長い人生に寄り添うことができる、息の長い家をめざしたからです。
 
その思いは、見えないところにも。壁の漆喰には、岩盤浴にも使われる天然鉱石のパウダーを練り込み、調湿や消臭効果もあることが科学的に証明されています。
 
この建物を受け継いで、カフェを開くことにした明美さんは、自身の決断についてこう振り返ります。やりたいと思ったことを、やるか、やらないか。私の場合は、やるほうを選んだ。それだけだと思います。これまでの住まいの荷物は思いきって断捨離をして、新しい生活空間のサイズに合った暮らしをはじめたことも、家族にとってよかったと思っています。「あんcafe」の物語は、こうしてはじまりました。
カフェから見える小学校
余白
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